リアリティーがありました。
それぞれの人の吐く言葉が重いのにもかかわらず、重さに反比例して、人々が「テペ」の持つような自然の力に支えられた強さ&明るさをもっているし、そういう意味で、音楽や踊りが本来持つ本質的な強さをこれだけ提示できている映画も、数少ないと思います。
「傷ついても傷つけてはいけない」という言葉。「敵を捉えても話しだけして殺さずにかえした」ゲリラたちの話とか、インドの英雄ガンディーがやっていたような英雄的な行動を、これだけの普通の人が、すさまじい環境の中でやっていたというのは、市民がみなガンディー以上だ、すごいことを東ティモールの人たちはやっていた、という事実を知りました。。知らなかった。
「ルリック」の最後のシーンなどは、普通なかなか撮らせてくれないのですが、よく撮れているし、ひとり一人、最後、旅の途中、道端で撮ったおじいさんもすごく魅力的に撮影できていて、傑作ですね。
また社会的な背景や、日本の支援のこと、最近の西パプアのことやアチェのことにも触れていたのも良かったです。
映画を見て何が一番問題だったかというと、、 映画よかった、で終わらせてしまう、私たちのこと。 本当に「使われない自由はだめになります」よね。自然との共存、自由の使い方、そして「権威」に頼る生き方、勇気、色んな問題提起が映画の中できちんとなされていて、感心しました。
さあて、ではどうやって生きて行けばいいんでしょう。
コロナは深い洞窟や入っていけない大地の奥へと踏み入る人間への自然からの復讐だとも言われていますが、、今、家の中に閉じこもっている私たちは、一人では「ほうきの一本」のように弱く、絆を否応なく切らされて、自然に、さあて生きて行けるかい?と試されているわけです。
とはいえ、ひとり一人が大きな声に消されることなく、自分の小さな声、良心に従って生きることを、恥じずに行くしかないと映画は語っていたと思います。
家で映画を見せてくださった監督とスタッフの皆さんに拍手。